ここ数年で、私にとって油の常識は劇的に変化した。ホリスティック医学のドンであり、私も勝手に師と仰ぐアンドルー・ワイル博士は油について極めた厳格だ。食料庫の油は全部捨て、今度は上質なエキストラ・バージン・オリーブ・オイルと香りづけ用の煎り胡麻油だけを、なるべく小瓶で買って冷蔵庫で保存しなさいという博士の指示を私はただちに実行したものだ。
しかしその後に油のオーソリティーとして名高いカナダのエラスムス・ウド博士と出会い、さらに油の奥深さを知ることとなる。ウド博士にはオメガ3やオメガ6と呼ばれる必須脂肪酸という栄養素の重要性を教えられた。
なぜ「必須」なのかというと、これらは身体の細胞膜やホルモンを作る原料であり、身体のほとんどすべての機能に関係しているのにもかかわらず、人間はこれらの二種類の脂肪酸をどんな材料を使っても自分の身体の中で作ることができないのである。つまり、食事から摂るしかないのだ。そのうえオリーブ・オイルだけではこの必須脂肪酸は賄えないという。
そしてウド博士が最も効率よく老化を防ぐことができる油を摂取できるように、亜麻仁油を中心にブレンドしたウド・オイルが冷蔵庫の主役となった。
これを毎日大さじ二杯分摂取するのだが、火を加えてはいけないので、薬だと思ってそのまま飲む人も多い。私は油を飲むのはいささか抵抗があるので、サラダ・ドレッシングをはじめ、なるべく料理に使うことにしている。幸い味噌や醤油と相性がいいので、和え物や煮物にふりかけたり味噌汁に垂らしたりするのも悪くない。
私は毎朝、ウド・オイルを一人の一日分ずつミニ・フラスコに分けておき、納豆に混ぜたり、焼き魚に塗ったり、何かにつけて少しずつ使う。
その日に定量を使い切れず残ったオイルがあれば、毎晩のナイトキャップにしている宮崎産の梅黒酢に加えて一緒に飲んでしまう。
(いつでも今日が人生の始まり! 大和書房刊 より抜粋) |